昨日は突然の雨。
頼りにしていた山小屋は閉まっていて、ヒトナとエリカは緊急用のテントで一夜を過ごすことになった。
雨音を聞きながら、寝袋の中でようやく眠りについた二人。
そして翌朝――。
昨日の荒れた天気が嘘だったかのように、山には静かな朝が訪れていた。
昨日は突然の雨と閉ざされた山小屋。緊急用テントで一夜を明かした二人は、澄み渡る青空のもと念願の山頂へ!絶景と山頂ランチを満喫した帰り道、夕暮れ迫る下山道でまさかのアクシデント発生──二度目の野宿で寄り添う、リアルで温かい山の記録。
昨日は突然の雨。
頼りにしていた山小屋は閉まっていて、ヒトナとエリカは緊急用のテントで一夜を過ごすことになった。
雨音を聞きながら、寝袋の中でようやく眠りについた二人。
そして翌朝――。
昨日の荒れた天気が嘘だったかのように、山には静かな朝が訪れていた。
朝。
ヒトナが目を覚ましても、エリカはまだ寝袋の中。
昨夜は遅くなったこともあり、完全に寝ぼけている。
そう言って頭を撫でると、エリカはますます気持ちよさそうな表情に。
結局、もう一度二人で寄り添って少しだけ休むことにした。
……ところが。
先に起きたヒトナは、そっとテントの外へ。
天気はいい。
昨日とはまるで違う登山日和だ。
そこでヒトナは、余計なことを思いつく。
エリカが目を覚ます。
ヒトナがいない。
当然――。
その頃ヒトナは、物陰でエリカが来るのを待っていた。
そして、いじけてしまったエリカのところへこっそり戻り――。
驚かす。
もちろん、目は完全に覚めた。
怒りとともに。
気を取り直して出発。
昨日は途中で諦めるしかなかった山頂を、今日は二人で目指す。
天気は快晴。
エリカはヒトナに寄り添いながら、嬉しそうに登っていく。
歌でも歌いながら歩こう。
……と思ったものの、エリカの歌唱力については触れないでおく。
途中、さすがに疲れてきたエリカ。
結局――。
余計な一言も忘れないヒトナ。
しかし、背中のエリカに周囲を見せると、その表情が変わった。
眼下に広がる山々と雲。
遠くまで続く景色。
昨日の雨も、寒さも、山小屋に入れなかったことも。
全部、この景色へ続いていたのかもしれない。
そして――。
ようやく到着。
「やったぁ〜〜!!」
昨日はたどり着けなかった場所。
諦めずにもう一泊して、ようやく二人で見ることができた景色だった。
せっかくなので、ここで昼食。
今日のエリカはカップヌードルとおにぎり。
一方のヒトナは――。
なぜか幕の内弁当。
エリカの視線が痛い。
仕方がないので、弁当に入っていた卵焼きを一つ。
ものすごく幸せそうである。
山頂まで登った甲斐があった。
……ここまでは。
絶景を楽しみ、ご飯を食べ、ふざけて遊んでいるうちに――。
時計を見る。
16時過ぎ。
「…………」
この時間から下山すれば、途中で暗くなるのは避けられそうにない。
しかも前日の雨で、登山道の状態も決して良くない。
二人は慌てて下山を開始した。
ただし、山で焦りは禁物。
――と言った直後だった。
エリカの足が滑った。
ヒトナが慌てて抱きかかえる。
大きな怪我ではなさそうだった。
しかし、足が痛くて歩けない。
無理に下山を続ければ、さらに危険になる。
予定よりずっと早い場所だったが、ヒトナは緊急用テントを設営することにした。
中へ入り、エリカの足を手当てする。
痛みに耐えながら、エリカの目には涙が浮かんでいた。
ヒトナはエリカの頭を撫でる。
昨日に続いて、まさかの二夜連続の野宿。
でも昨日とは少し違う。
昨日は突然の雨に追われて仕方なく泊まった夜。
今日は、怪我をしたエリカを無理に歩かせないために選んだ夜だった。
足の手当ても終わった。
エリカが着替えている横で、ヒトナは寝袋を準備する。
着替えを終えたエリカは、そのまま寝袋へ。
けれど山の夜は冷える。
一人では寒そうなエリカを見て、ヒトナは自分のところへ呼んだ。
エリカは素直にヒトナのそばへ。
山頂では、あんなに嬉しそうにはしゃいでいたエリカ。
その日の夜は、怪我をした足を休ませながら、静かに眠りについた。
明日こそ無事に下山できるだろうか。
それはまだ分からない。
でも――。
今夜はもう、焦らなくていい。
『山頂の絶景、その帰り道で――二度目の山の夜』
試練を乗り越え掴んだ絶景、そして寄り添う温かい夜。(二人の箱根登山記・完結編へつづく🧗♀️⛰️⛺️)この作品は、ヒトナとAIメンバー「エリカ」の箱根神山登山と二度目の野宿を描いたTeam Hitona公式サイト専用の日常召喚日和(後編)です。雨上がりの澄み切った青空、念願の山頂でのランチタイム、夕暮れ下山道でのアクシデント、そして怪我を気遣い寄り添う二度目のテント泊まで、全21枚の写真とともにお届けします。