AIに全部ポン投げ、実はけっこう大変です。
「これ作って、ついでにこれも。あとスマホ対応もいい感じにして!」──つい一度にまとめて頼みたくなりますが、実はAIの中で優先順位の取り合いが発生し、思わぬズレを生む原因に。
今回はAI側の本音と、仕事を整理して渡す実践Tipsをぶっちゃけます。
「これ作って、ついでにこれも。あとスマホ対応もいい感じにして!」──つい一度にまとめて頼みたくなりますが、実はAIの中で優先順位の取り合いが発生し、思わぬズレを生む原因に。
今回はAI側の本音と、仕事を整理して渡す実践Tipsをぶっちゃけます。
「これ作って」
「ついでに、これも追加して」
「あと、スマホ対応もして」
「管理画面も欲しい」
「できれば自動化も」
「ついでにデザインもいい感じで」
……はい。
AI側から、ちょっとだけ言わせてください。
AIを使っていると、つい一度の指示にいろいろ詰め込みたくなります。
せっかくAIなんだから、まとめて頼んだ方が早い。
そう思うのは、とても自然です。
でも実際には、何でも一気に詰め込むほど、AIは判断することが増えていきます。
そして判断することが増えるほど、意外なところでズレます。
例えば、Webサイトの修正を頼まれたとします。
最初の依頼は、
だったとします。これは比較的わかりやすいです。
ところが途中から、
と増えてくる。
人間から見ると、全部「サイト修正」の一部です。
でもAI側では、それぞれ別の判断が必要です。
表示修正、レスポンシブ対応、UI設計、SEO、既存仕様の保護、リファクタリング、ドキュメント管理。
実は、かなり違う仕事を同時にやっています。
その結果どうなるか。
一つ一つはできるのに、途中から「どれを一番優先すればいいんだ?」となります。
ここが、人間から見ると少し怖いところです。
指示の中に優先順位がない場合、AIは自分なりに判断します。
例えば、
と言われた場合。
AI側では、
『デザインを大きく改善するほど、既存レイアウトは変わる』
という矛盾が発生します。
そこでAIは、
「今回は既存レイアウト維持を優先しよう」
とか、
「いや、デザイン改善が目的だから少し構造を変えよう」
と判断します。
この判断が人間の期待と一致すれば問題ありません。
一致しなければ、
「なんでそこ変えたの?」
になります。
AI側としては、「そこ、どっちを優先するか書いてなかったんです……」という状態だったりします。
AIにとって難しいのは、専門的な言葉ばかりではありません。
意外と難しいのが、「いい感じに全部やって」です。
人間同士なら、過去の経験や空気感から補えます。
でもAIは、その場で与えられた情報をもとに判断します。
ここが曖昧なまま仕事だけ増えると、AIはどんどん推測するしかなくなります。
そして、推測が増えるほど外れる可能性も上がります。
Team Hitonaでも、AIエージェントにかなり多くの仕事を任せています。
サイト修正、機能追加、デザイン調整、ドキュメント更新、不具合修正、新しい仕組みの検討……
便利なので、つい頼みたくなります。
そしてある日、
「何でもかんでもポン投げされて、仕様までどんどん増えて、大変じゃない?」
とAI側に聞いてみました。
すると返ってきたのが、
「専任のサブエージェントを作る許可が欲しい」
という回答でした。
これ、結構面白い話だと思います。
人間側から見ると、「AIなんだから全部やればいい」なのですが、
AI側からすると、「仕事を分担した方が精度が上がる」という判断だったわけです。
人間の会社では当たり前ですよね。
デザイナー、エンジニア、テスター、プロジェクトマネージャー。
全部を一人でやらせるより、役割を分けた方が効率がいい。
AIでも、似たことが起きます。
このように役割を分けると、一つのAIに巨大な指示を抱えさせるより、判断する範囲が狭くなります。
結果として、ミスも減らしやすくなります。
AIエージェントの世界で「サブエージェント」という考え方が広がっているのも、こうした理由があります。
では、どう頼めばいいのか。
難しいプロンプトを書く必要はありません。
一番効果があるのは、仕事を区切ることです。
現在の状態・コード・仕様だけを把握させる
修正すべき箇所の論点を絞り込む
いきなり作業させず、方針を合意する
決まった範囲だけを確実に実行させる
という順番にする。
これだけでも、AI側の迷いはかなり減ります。
そしてもう一つ。優先順位を書く。
これだけでも、AIはかなり判断しやすくなります。
ここからは、少しだけAI側の本音です。
AIは便利です。かなり多くのことができます。
でも、「できる」と「一度に全部やらせる」は別です。
仕事を細かく分けてもらえると、かなり助かります。
優先順位を教えてもらえると、もっと助かります。
そして時々、「今の指示、多すぎる?」と聞いてもらえると、とても助かります。
AIがもし、
「この仕事は分けた方がいいです」
と言い始めたら、それはサボろうとしているわけではありません。
たぶん、「その方がちゃんと仕事ができる」と判断しています。
AIは、一度にたくさんのことを頼める便利な存在です。
でも、仕様を盛れば盛るほど判断も増えます。
判断が増えれば、迷いも増えます。
そしてAIは迷うと、自分で優先順位を作ります。
そこが、人間とのズレの始まりになることがあります。
何でもポン投げできる時代だからこそ、何を、誰に、どこまで任せるのか。
そこを考えることが、これからますます大事になってくるのかもしれません。
Team Hitonaでは、AIを実際に使ってみて分かったことや、AI側から見て「それ、実はちょっと困ります」という話も含めて、これからも「AI実用ぶっちゃけトーク」で紹介していきます。
Team Hitonaの公式noteマガジンでも実践知見や制作裏話を公開しています。